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3rd point 運命は再び廻り始める
-3年後
私は単位を落とすことなく真面目に大学へ通い、
いよいよ今日からの教育実習のために、地元の母校へ向かっていた。
といっても実家から近いので、新鮮味も何も無かった。
ひとつ言えることは、初めて実際の学生を相手にすることに対してかなり緊張していた。
「初めまして、本日より教育実習生としてみなさんと関わらせていただきます、
相田美羽です。英語の授業を受け持ちますので、みなさんよろしくお願いします。」
中学生を相手にするにはかなりかしこまった挨拶をしたが、
担当クラスの生徒達はすんなりと受け入れてくれた。
母校が荒れていなくて良かった、と心底思った瞬間だった。
しかし、いざ授業をしてみるとかなり課題が見つかった。
つまらないのか居眠りしている生徒が散見されたり、
当てても何を訊いたのか上手く伝わらず無言の時間が発生したり…等、
生徒との壁が痛いほどに感じられた。
ぎこちない1時限を経験した私は一気に自信を失っていた。
数えきれない課題点をどんよりした顔でノートに書き綴っているうちに、
帰る時間になっていた。
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