3rd point 運命は再び廻り始める

1/4
前へ
/15ページ
次へ

3rd point 運命は再び廻り始める

-3年後 私は単位を落とすことなく真面目に大学へ通い、 いよいよ今日からの教育実習のために、地元の母校へ向かっていた。 といっても実家から近いので、新鮮味も何も無かった。 ひとつ言えることは、初めて実際の学生を相手にすることに対してかなり緊張していた。 「初めまして、本日より教育実習生としてみなさんと関わらせていただきます、  相田美羽です。英語の授業を受け持ちますので、みなさんよろしくお願いします。」 中学生を相手にするにはかなりかしこまった挨拶をしたが、 担当クラスの生徒達はすんなりと受け入れてくれた。 母校が荒れていなくて良かった、と心底思った瞬間だった。 しかし、いざ授業をしてみるとかなり課題が見つかった。 つまらないのか居眠りしている生徒が散見されたり、 当てても何を訊いたのか上手く伝わらず無言の時間が発生したり…等、 生徒との壁が痛いほどに感じられた。 ぎこちない1時限を経験した私は一気に自信を失っていた。 数えきれない課題点をどんよりした顔でノートに書き綴っているうちに、 帰る時間になっていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加