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2018 duel
ドアを開けるとジェイソンがそこに立っていた。
腰が抜けてしまって動けなかった。
ジェイソンがサイレンサーのついたオートマチック拳銃を理恵に向けた。
弾丸が理恵の左胸に貫通、痙攣をはじめる。
「やっ、やめろ……」
ようやく言葉が出た。
ジェイソンが姿を露にした。
大城!!
「どうして妻を殺した!?」
「そう嘆くな?30年前のあの事件は俺がやったことだ。玉城は財宝を独り占めしようとした挙げ句、クスリで頭がおかしくなっていてな?真奈美を殺そうとした」
大城、石塚、玉城、真奈美の4人はグリコ・森永事件の真犯人だったのだ。
室内トイレのドアが開き、近藤真奈美が出てきた。
「あースッキリした。膀胱が破裂するかと思った」
「先輩?どうして、こんなところに?」
「驚いた?奥さんには可哀想なことをした」
真奈美はすっかり年寄りになっていた。化粧もしていないようで、皺が酷い。
「石塚は気味の悪い奴だった。ブードゥ・ドールを考えたのも奴なんだ?サカキバラタイプだったからさ?殺しちまった」
大城はそう言うと傍らにあるリュックサックを開けて、何かを出した。
日本刀だ。
鞘から出す。
刃は血で汚れていた。
「星沢と成森を殺したときに使ったものだ」
大城が言った。
2人とも政治家だ。働き方改革を推進してきたタカ派だ。1ヶ月前、葉山にある別荘で惨殺された。
「何かを動かすには少しの痛みが必要だろ?」
大城はケタケタ笑った。
「その罪をアンタにかぶってもらう」
切っ先を桐島に向けて大城が言った。
「ふっ、ふざけるな!どうして私が!」
「断るの?」
真奈美が桐島の背後に回る。
「わっ、分かった協力する」
桐島は呻くように言った。
「コイツを握れ?アンタの指紋が必要だからな?」
大城が日本刀を差し出す。
桐島は柄の部分をしっかりと握った。
「動機は大臣を辞めさせられたから、でいいだろ?」桐島はあれから出世し、政界に取り立てられた。
ドアが開きSATが雪崩れ込んできた。
大城の眉間に銃弾が穿たれた。
隊員の1人が呟いた。
「オヤジ、敵はとったぜ!!」
真奈美は確保され怪人は息絶えた。
これで何もかもが終わり報われる。
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