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序章
「あなたは日本に、いや、世界に5家しかない由緒正しい魔法家の長女なんですからね!」
それが母の口癖だ。
私、篠宮緋鞠はとある中学校に通う中学2年生だ。
私は普通の中学生の振りをしているが、普通の中学生じゃない。
私の家は世界に5家しかない魔法家。魔法家とは、非科学的な『魔法』という技術を伝承する家だ。
「おはよ、緋鞠。なんか浮かない顔だね~。何かあったの?」
「えっ?別に何も無いよ。大丈夫」
何か大ありだよ!今朝も魔法の修行をさせられてきて神童だとか言われて、ストレス貯まるったらありゃしない。
ところで、彼女は夕月アメリア。私と正反対の金髪美少女で、成績も超優秀。
「そうそう、体育祭の種目決めたぁ?」
「ああ、それ。正直なんでもいいんだよな~」
「緋鞠は運動神経いいんだから、ブロック対抗リレーに出たら?」
「うーん、じゃあブロック対抗リレーと借り物競争でいっか」
まぁそんな感じに普通の中学生の会話をしながら学校に行く、普通の生活。
私はこれからとんでもない事件に巻き込まれることに、気づいていなかった。
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