第1章 体育祭

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今日は体育祭。中学生にとっては一大イベントの1つ。 私は更衣室で体操服に着替えていた。 「あれ?緋鞠ちゃんの出場種目って何やったっけ?」 「借り物競争と、ブロック対抗リレーだけど。深波(みなみ)ちゃんは?」 「あたしは台風の目と学年対抗リレーやで」 彼女は四ツ(よつはし)深波。かわいい関西弁を使う低身長童顔の少女。 「ていうか、緋鞠ちゃん、借り物競争ってトップバッターやん!がんばって~」 「ありがと。でも、借り物ってどんなお題出るのかな?」 「去年あたしは借り物競争やったけど、『ペットボトル持ってる人』とか『丸メガネをかけてる人』とか、結構わかりやすいのやからあんま心配せんでええと思うで」 「へぇ~」 「まぁそんな感じ。桃ブロック優勝目指して頑張ろ!」 「OK!任して!」 私は魔法を使うことはできないけど、できる範囲で全力でやろう、と決めた。 そしてアクシデントは、借り物競争で起こる。
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