第1章 体育祭

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グラウンドの周りには爆弾は無かった。もしかしたらまだ仕掛けていないかもしれないし、校内かもしれない。 でも、校内は立ち入り禁止だ。誰かが入ることはできないはず。 「あれ、緋鞠?何してんの?」 「あっ、ゆづき!ちょっと散歩してただけだよ」 夕月アメリアは名前の『アメリア』ではなく、苗字の『夕月』をもじった『ゆづき』というあだ名で呼ばれている。 「次全校生徒参加のブロック対抗玉入れだけど、並びに行こうよ」 「あれっ?そうだったっけ?」 「そうだよ?早く行こ!」 「う、うん」 どうやら爆弾探しにかなり時間を使ってしまったらしい。もう午前最後の競技になってしまっていた。 ピストルが鳴ると同時に、ブロックの色の玉を拾って無秩序に投げ始めた。 私はその渦に紛れながら、籠の根本にたどり着いてしまった。 (これって…...まさか)
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