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アスカはじっとその【スイッチ】を見つめる。
いつの間にかに手元からなくなっていた。
よく考えたらこれがすべての始まりだったことをすっかり忘れていた。
また押すのは少し怖い気がした。
今度はまた違う所へ飛ばされてしまうのではないか…と。
ペルはじっとアスカの行動を見つめている。
いや、仮面があるので本当に見つめていたのかはわからないが、アスカは視線を感じていた。
もしかするとこれが本当の罠なのかもしれない。詐欺師は相手が知っている事やモノを使うことで、一度安心させてから罠にはめる。
なんていう、話をどこかで聞いた気がする。
けれど罠にせよ事実にせよ、今アスカにできるのは目の前に置かれた小さな【スイッチ】を押すしかないのだ。
アスカは覚悟を決めた。
目をつぶって、オンになっているであろう【スイッチ】をオフへ切り替える。
パチン。
「アスカさーん、そろそろお願いします。」
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