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建物の中に入ると、アスカは改めて部屋を見回した。
前回は落ち着いてみられなかったが、よく見ると素敵な部屋だと思う。
間取りで言ったら、1LDKになるのだろうか。
アスカは部屋の広さを表す何畳という単位がどれほどの広さか考えたことはないので、
その単位を使うことはしないが、この部屋はかなり広い。
入り口からまっすぐ縦に、開放的に広がるその部屋は
もし家具がなかったとしたら、40人以上いるメンバー全員で立食パーティーぐらいならできそうだ。
部屋の中央には、品のいい三人掛けのソファーがガラステーブルを中心に2つ向かい合って配置されている。
アスカの身長ならそのソファーに横になれば気持ちよく昼寝できるだろう。
壁に備え付けられた、木製のラックは下から上までたくさんの本を収納してあるものと
茶葉やお菓子が入った瓶など、いろいろな雑貨が収納しているものとがある。
奥にあるキッチンはカウンター式で、キッチンからこちら側を見渡せ、
料理をしながらでもリビングにいる人と会話ができる。
逆に、テレビやパソコンのような家電的なものや、洋服などをしまうような収納などもない。
来客をもてなすためだけに作られたような部屋だ。
身の回りのものは2階にあるのだろうか。
前回は気にしている余裕がなかった、螺旋階段のそばまで歩いてみて驚いた。
螺旋階段の先は下の階からよく見えなかったが、階段の途中の壁にもラックが備え付けられていた。
そしてそこにも、様々な本が収納されている。
さらに階段の一段一段に柔らかそうな階段用のマットが敷き詰められており、
手に取った本をそのままそこに座って読むことができそうでもあった。
もし、ここが実は少人数向けのブックカフェだといわれたら、アスカは疑わないだろう。
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