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3日で戻った方がいい…どういうことだろうか。
3日過ぎると何かが起こるのだろうか。
落ちてはいくが溜まらない砂を見つめながらアスカは考えた。
「まぁ…別に」
再び話し出したペルのほうに視線を向けた瞬間、アスカは息をのんだ。
「何日だろうが、何年だろうが、居れないわけではないんだけどね。」
その時の言葉だけ、本当に仮面がしゃべったような気がしたからだ。
そんなはずはない、目の前の仮面は明らかに作り物だ。
その仮面の下にはどんな顔があるのだろうか。
急に、いままで気にしないようにしていた疑問が頭をもたげた。
「ここにはたくさん本があるから、気になる本でも読んでゆっくりしていけばいいよ。
と、いうか、本しかないんだけどね。」
アスカの緊張を察したのだろうか、ペルは両手を広げて、本が詰まったラックを示すと、またおどけて見せた。
けれど、その察しの良さがむしろアスカの不安を煽っているような気がした。
アスカは一瞬で強くなった鼓動を抑えるために、目の前にあったカップを吹いてお茶を冷ますと何も考えずゆっくりと一口飲んだ。
「あ・・・おいし。」
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