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「昼も夜もないけど、天窓というのは気持ちいいものだよ。
ときどき屋根の上に登ってみたりもできるしね。」
ペルが言っていたのを思い出す。
屋根の上からの景色というのはどんなものなのだろう。
真っ白以外に何か見えるのだろうか。
いつか屋根にも上がらせてもらおう。
そういえば、部屋の奥の机には4つほど抽斗がついていたのだが
一番上の抽斗だけは鍵がかけられるようになっていた。
あそこって鍵かかっているのかな。
ペルにも秘密ってあるのだろうか。
いや、そもそもペルが何者かほとんど知らないんだけど。
ペルがアスカを詮索しないように、アスカもペルのことをあれこれ聞くことはなかった。
お互いに話したいことがあれば話すけが、それはお互いの本質に関わらない他愛のないもの。
この距離感が居心地の良さなのだろう。
しかし。
いつもどこかで感じている疑問。
ペルは寝てる時も仮面をつけているのかな。
っていうより、仮面の下、どうなっているんだろう。
単に恥ずかしがりというだけでは異常だろう。
傷とかがあるのか、それとも恐ろしい顔をしているのか。
もしかすると人間ではないのかもしれない。
アスカは以前、仮面そのものがしゃべっているような感覚に陥った時のことを思い出した。
もしかすると、仮面の下は何もなくって本当に仮面が生きていて…。
あんまり考えるのはやめよう。
興味はあるけど、いつか見れるかもしれないし、見れなくても構わないだろう。
ふたたび意識がまどろみの中に落ちていく。と。
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