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「アシュ、こんなところで寝ちゃだめだよ。」
突然頭の上から声が降ってきた。
「まぁ、この世界で風邪とか引いたりはしないんだけど。」
ペルはアスカの座っている前の段に降りてきて、アスカの正面にくる。
アスカはまどろみから抜け出せず、イヤイヤをする赤ん坊のように首を振る。
「はぁ…。」
ペルは小さくため息をつく。
「じゃあ、ベッドまで運んであげるから。」
その言葉の意味が頭に浸透しないうちに、ペルがとった行動にアスカは驚いた。
ペルはアスカの背中に腕を回し、反対の腕をアスカの膝の下へ入れ
すっと持ち上げた。
いわゆるお姫様抱っこ。
「えっ、えっ。」
予想していなかった状況に変な声がでる。
同時に安定を得るために、ペルの首に手を回してしがみつく。
「アシュ、起きてるじゃん。」
びっくりして起きたんだよ。
いや、そんなことより、どこにそんな力が…。
ペルはアスカとほとんど体型も変わらない。
腕もケトル以上のものは持ったことがないんじゃないかというほど細い。
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