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■4:ある一人のアイドルの形■
それは、とある番組の収録中、突然に訪れた。
「ペル───」
アスカはグループメンバー数名とその番組に参加していた。番組の構成としていくつかの特集コーナーがあり、アスカ達がメインで話せるであろうコーナーももちろんある。
ただ、その時のコーナーはアスカ達に話題が回ってきそうな内容ではないと考えていたこともあって、
もちろん演者として話の流れに取り残されないようにはしていたが、ぼんやりと次に回って来る自分たちのコーナーのことを考えてしまっていた。
なので司会者の説明の中、不意打ちのように耳に入った言葉にアスカは耳を疑った。
ペル…?って言った?
番組は、世界で起きた奇妙な事件の数々をいろいろな学問の専門家たちが、自身の学問の見地から解き明かすというコーナーをやっている真っ最中だった。
司会者と専門家は大きな説明用のモニターを挟むようにして立ち、事件の中身をそれぞれ説明しているところ。
日ごろペルとつく単語をアスカはペルシャぐらいしか知らなかったので、モニターの中を上から凝視していく。
アスカたちゲストはそのモニターと向かい合うように設置されたひな壇と呼ばれる階段状に設置された席で見ていた。
モニターの中で『ペル』を探す。
そして、見つけた。
ペルの正体を。
パチン。
世界から音と色が消えた。
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