■4:ある一人のアイドルの形■

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私はもうここには来ないと思う。 いや、気づかないうちに、ここに来る私はたくさんあるのかも知れない。 ここで眠ることになる私のペルソナ。 けれど、私自身からもうスイッチを押すことはないと信じたい。 自分自身を肯定してくれる、自分自身が居ると知っているから。 握手会にいつも来てくれる少年にその名をつけたのは 似ていたとかではなく、本当に何かの気まぐれだった気がする。 ただ、毎回来てくれる彼の生き生きとした全力の笑顔を見るたびに 私は支えられていると感じられる。 今日もまた、彼は来てくれた。 その笑顔に笑顔を返していう。
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