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「秀一さんがクラシック以外の曲をコンサートで演奏するのを、今日初めて聴きました」
「貴女と過ごすクリスマスを考えていたら、あの曲が思い浮かんだのですよ」
秀一の指先が美姫の髪を絡め取り、口づけを落とした。
自分のことを想って選曲し、聴衆の前で演奏するだけでなく、それを再び自分の為だけに弾いてくれたことに、美姫の胸は一層高鳴った。
テラスの外の景色に目をやる。
「ぁ……」
空からは、チラチラと粉雪が舞い始めていた。
「本当に、ホワイトクリスマスになりましたね」
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