聖夜のプレゼント #2

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 秀一は少し躰を傾けるとカウチの傍に置いておいたブランケットを手に取り、ふたりの躰に覆った。  細やかに降っていた雪は時間が経つにつれ綿雪となり、少しづつ屋根や道路に溶けてなくなることなく積もっていく。テラスから映し出されるオレンジと金色の煌めく夜景を眺めながら、愛する人の胸に抱かれ、聖夜を過ごせることの喜びを美姫は噛み締めていた。  幸せ……  心の中で呟いた瞬間、美姫を抱き締めていた秀一の腕の力がフッと弱まった。  ぇ?  驚いて秀一を見上げると……  う、そ。
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