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聖夜のプレゼント #2
秀一はピアノ椅子から立ち上がると、優美に美姫に手を差し伸べた。
「プリンセス、こちらへ」
美姫は秀一に手を引かれ、テラスへと誘われた。
テラスの目の前にはテーブルと2人がけのカウチが夜景の方を向いてセッティングされていた。テーブルの上には真っ赤な薔薇が飾られ、ワインクーラーに入ったシャンパンボトルとシャンパングラスが2つ、それに小さなザッハトルテが白い四角い皿に2つ、フォークと共に添えられていた。
「本当はテラスで夜景を観ながら乾杯したかったのですが、寒いので室内から夜景を臨むことにしました」
美姫はにっこりと微笑んだ。
「ここからでも、ウィーンの夜景は十分に楽しめますね。
すごく素敵……ありがとうございます」
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