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「大丈夫ですよ。私のリードに身を委ねてください」
手を差し伸べる秀一に自身の手を重ねると、美姫の緊張で強張っていた全身が解きほぐされた。
男、女、女、男で横一列に並び、その後ろにも同じような4人の列が果てしなく縦に続いていく。
凄い。これ、みんな今夜デビュタントとして舞踏会に参加するカップルなんだ……
圧巻というべき光景だった。
国歌が終わり、デビュタント達が入場する。
美姫は隣の女性とブーケを交差するようにして手首を重ね合わせ、秀一が軽く腕を上げた掌にそっと手をのせた。
オーケストラの演奏が流れる中、粛々と舞踏会のダンスホールへと進んで行く。
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