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大きな溜息と共に吐かれる、誠一郎の言葉。
美姫は、禁忌の関係がどれ程重いものなのか、今以上に感じたことはなかった。
「分かっているのか、これは家族だけの問題じゃない。来栖財閥そのものの存亡の危機なんだぞ!明日にはこの記事が世間にでて大騒ぎになる!おまえ達だけじゃない、家族も、来栖財閥もマスコミの餌食だ!!」
誠一郎は週刊誌のコピーをテーブルから手で払いのけ、頭を抱えた。
「お父様、が……調べ、させたのですか……」
呆然と父を見つめる娘に、誠一郎は苦しそうに俯き、唇を噛んだ。
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