叩扉《こうひ》 #2

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 美姫はリビングへと戻ると、ソファに落ち着きなく腰掛けている凛子の背中に声をかけた。  「お父様のいる病院へ、連れて行って下さい」  凛子は安堵の息を吐くと立ち上がり、車のキーを手にした。  「今すぐ、行きましょう」  秀一は凛子に挑むように視線を投げると美姫を抱き寄せ、眼前で口づけてみせた。  「では2日後に会いましょう。美姫、待っていますよ」  「は、い……」
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