自責の念

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 一番奥にある大きな扉の前に立つと、凛子は静かにノックして扉を開け、美姫に中に入るよう視線で促した。  室内も外観と同じく、まるでホテルのVIPルームのような造りだった。光を多く取り込める明るく広々としたリビングには応接のためのテーブルと椅子が置かれ、小さいながらもキッチンまで備え付けてある。リビングの横には畳の敷かれた和室があり、そこに付き添い人が泊まれるようになっていた。  ただひとつホテルと異なっているのは、クイーンベッドの横に点滴の台や幾つものコードに繋がれたモニターがあることだった。  美姫は、そのベッドに寝ている主に近づいた。  「お父、さま……」
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