愛憎の果て

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 秀一が僅かに震え、動揺が伝わった。  「何を……言っているのですか。ピアノを捨てる事など、美姫を失うことと比べたら、なんてことはありません。   言ったでしょう?私にとって何よりも大切なのは貴女だけなのです。   それ以外のものは、どうだっていいのです」  秀一が唇を寄せようとするのを、美姫の手が押し退ける。  「嘘です!」  悲痛な声を上げた。
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