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美姫の心が強く秀一を求める。絶対者である秀一に、心が従おうとしてしまう。
だが、美姫は強い意志でそれを押し留めた。
「私が、いては……ダメ、なんです。
秀一さんは、私がいることで、私を愛するあまり、周りが見えなくなってしまう。
お父様にさえも牙を剥き、手錠まで掛けて……死の瀬戸際にあっても、同情の片鱗すら見せようとしない。そんな狂気に堕としてしまったのは、私のせい……
苦しいんです。
もう、誰も傷つけたくない……誰にも、不幸になって欲しくない……」
美姫は秀一を苦悶の表情で見つめてから大きく息を吐き、震える声で告げた。
「わた、しは……両親の勧める方、と……婚約します。
秀一さんとのスキャンダルを否定し、来栖財閥の危機を救い、建て直すために……」
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