叩扉《こうひ》 #2

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 リビングのソファに凛子を案内し、ふたりでベッドルームへと向かう。  ベッドルームの扉を閉めた途端、秀一が美姫を抱き寄せた。  「美姫。兄様の元へ行くなどと言うのではないでしょうね。   絶対に行かせませんよ。あなたは、ずっと私とここにいるのです」  美姫は、秀一を両手でそっと押し返した。  「秀一さん……私たちはもう、ここにはいられません」
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