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秀一が後ろを振り向く前に腕を拘束され、白い布が口を覆った。
「ッ……」
同時に胸を突かれ、息苦しくなった秀一は大きく息を吸い込み、クロロフィルムを嗅がされた。
意識が朦朧とする中、秀一の視界に映るのは涙を浮かべた美姫の姿だった。
「秀一さん……ごめんな、さい……」
秀一は美姫に手を伸ばそうとするものの、それは彼女に触れることなく、力なくだらりと床に落ちた。
「美姫さん、大丈夫ですか?」
黒ずくめの大男の後ろから、か細い声が聞こえた。そこから顔を出したのは、秀一のマネージャー、上條智子だった。
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