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「......秀一さんは、私のことを恨んでいると思っていました。
あんな形で裏切り、ひとりウィーンへと送ってしまった私を......」
告白する美姫の胸が震えた。
そう、許されるはずなんてない。
秀一さんは私と一緒にウィーンに行くことを望んでいた。そんな彼の気持ちを裏切り、私は両親の決めた人と婚約し、一人ウィーンに行かせたんだ。
「あなたを恨んでいますよ、美姫」
秀一の言葉が、胸の奥深くまで突き刺さる。けれど、そう言われたって仕方のないことをしたのだ。
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