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――「メリークリスマス!!」
僕は、その年、彼女とのイブを過ごした後、けいさんちのクリスマスパーティに呼んでもらった。
すごく温かい家族で、けいさんも子供たちも和気藹々として楽しくて、みんな笑顔だった。プレゼント交換も子供たちとしたんだけど、僕は最新のゲーム機を用意してたらとっても喜んでくれたから、早速みんなで遊んだよ。
――「ハッピーニューイヤー!!」
そして、今年のお正月。
けいさんは当たり前のように、僕と彼女を呼んで一緒にお正月をお祝いしてくれた。
「けいさん、ありがとう」
「いいよ、にぎやかなほうが楽しいし」
僕の知らなかった、家族で過ごす幸せなお祝い事をけいさんにたくさん教えてもらった。
それは、僕の人生の一部を、素敵な思い出に塗り替えてくれたように思えたんだ。
「最高に素敵なお年玉をもらっちゃったみたい」
「なんで?」
「けいさんが、こうして僕に楽しい家族の団欒を見せてくれたおかげで……僕は前に進めた気がしたから」
「じゃあ、もう大丈夫だね」
「ん?」
「これを、尚くんが将来子供を持ったときにしてあげればいいんだよ」
そう言ってくれたけいさんの笑顔が優しくて、包み込んでくれるような感じがしたから……僕はその心の広さに胸を打たれて、鼻の奥がツン、としたの。
「ありがとう……いつも」
「じゃ、うちの家族と仲良くなったことだし、今度子供たちに勉強教えてあげてね!」
「っえ!」
面白くて、かっこよくて……人として尊敬できるけいさん、
これからも、どうぞよろしくね。
【おわり】
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