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エイ会話スイミングスクール
――キーンコン・カーンコン……
始業のチャイムが鳴り響く。
学校へ入った勇次とユカリは、五階建て校舎の二階に位置する教室にたどり着いていた。
二人が所属する一年一組の生徒数は、七名。
しかし午前八時半現在、その席に着けているのは勇次とユカリの二人のみ。
つまり、今日のところは、彼ら以外に授業に臨む者はいない。
中央には、七つの机。
その前後にあるのは、黒板と教壇、ロッカーに掃除用具箱……
教室の基本構造は、数万年前から変わらない。
変わったのは、その授業内容と、ほんの少しの「概念」だけである。
「一次元目は、『エイ語』か……」
呟く勇次。
《ランド=セル》から退屈そうに教科書をあさり出す。
「がんばろうね」
ユカリも、バッグからポケットサイズの『エイ単語辞書』を取りだした。
二人が準備を済ませると、教室前方のドアの窓ガラスに、長身の男の影が映り込む。
――ガラガラアアアア……
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