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【きゅるっぴー!】
エイ=リアン、現る。
愛らしい表情で、一本のしっぽを足代わりに教壇へと降り立った。
【きゅっぴー!】
青白いなめらかなボディを自慢げに見せつけ、尾ひれをぱたぱたさせている。
「こ、これが、エイ=リアン……」
「なんか、意外とかわいいわね」
まるで近所のペットショップに立ち寄ったかのような感想を漏らす二人。
それもそのはず、エイ=リアンは、火星で大量繁殖を繰り返してはいるものの、特に害のある生物ではない。その性格は穏やかとされている。
「今日の課題は、このエイ=リアンを『四階の音楽室へと連れていく』ことだ」
――ザバアアアアアア……
「ただし、この校舎内が海水で満たされる前にな」
意味ありげな言葉を付け足し、酸素マスクを装着する用務。
「音楽室の黒板に、火星送還用の魔法陣が書いてある。そこへエイ=リアンを連れていき、火星へと送り届けることで今日の課題はクリアとする。校舎内の脱水装置も、それを達成すれば自動的に起動するように設定してある」
教師の性なのか、改めてわかりやすく説明を加える用務。
そして黒板の魔法陣をごしごしと消し、早々に教室から立ち去る。
「私はゴールの前で待つ。せいぜいがんばりたまえ」
去り際にもしつこく付け足した。
――ガラガラア……ピシャン!
【きゅっぴー!】
「…………」
「…………」
教室に残されたのは、一匹のエイ=リアンと二人の小学生。
宇宙開発の一要素、異文化コミュニケーションの時間が始まる。
『SCHOOL SURVIVAL@3800』
MISSION2:エイ会話スイミングスクール
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