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プロローグ
幾分たったろう目が覚めると自室にいた
(はて?私はまだ生きているのか?…)
辺りを、うかがい立ち上がるが
見覚えがある自室に妙な違和感を覚えた
それより寝たきりになっていたヨボヨボの身体が健康体のように動く
「誰か?誰かおらぬか?」
部屋は空しく声が、こだまするだけだった
外を伺おうと、ふすまを開けると愕然とした
真っ暗な暗闇なのだ
自室は昼間のような明るさなのだが
(もののけの仕業か?)
腰のものを手に取ろうとしたが
刀置きには刀が消えている
すると、頭に声が響いた
「お目覚めですか? お手数ですが その部屋を出て 廊下のつきあたりの部屋に来ていただけますか」
物腰のやさしそうな声だが…
見えない相手に声をかけてみた
「何者だ 名を名乗れ」
「来ていただけたらわかります」
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