二幕

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しばらくしたあと、 また1人入ってきた その顔を見て新撰組の3人は驚愕した 「…坂本龍馬!」 龍馬は老人からの話を、ほうけた顔で聞いたあと新撰組に近づいてきた 「いやー妙な世界に来てしもうたのう しかも現世では切る側、切られる側と対峙した、ワシらが、こうして面を合わせちょる」 にこにこ笑いながら話す竜馬に 「まさか、お前が呼ばれるとはな」 土方が眉をひそめると 「ワシも、おどろいちょる。 剣は捨てたつもりじゃったんだがの」 「困った顔に見えねえんだよ、 お前は。…まあいい…現世の因縁だ 誰かに暗殺され逃したが 今度は俺がバッサリ切ってやるよ」 土方はギラギラした目を向けると 「まあ、まだ試合は始まらんのだ。 落ち着け歳」 と近藤がなだめた 「で近藤さん。他のお人らは誰なんじゃ?」 竜馬が視線を向けたのを近藤が答えた 「二人並んで座っているのが 将軍家剣術指南役柳生宗矩。もう1人が 尾張柳生の柳生兵庫助」 「ほお、あの江戸柳生の祖かぇ さすが、あの世じゃ 時代も飛び越えちょる」 「で中央すみに座っているのが宮本武蔵」 「武蔵! 巌流島の、ほえーえらい事になりそうじゃき」 「で、 もう1人は、わからん。 まだ何も話さんのでな」」 近藤たちの横に、静かに正座した男を首で指した しかし、そのたたずまいから歴戦の強者だと感じるには十分の貫禄だった
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