二幕

4/6
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
「御老体。 つまり此処は、あの世で最後の1人になるまで死合いするとゆう事でござるな」 十兵衞は豪快に笑うと 「面白い! 親父殿と剣を交わえる機会がこようとは…それに叔父殿。 それに他の連中も強そうでござる 。この十兵衛、全員と死合いを申し込みたいものでござるな」 道場に十兵衞の殺気がこだました 「十兵衞…全くお前という男は…」 宗矩は、ため息を吐き首をふった 「ん?…そこにおるのは武蔵殿でござるか?」 父の落款など気にも止めず 道場の中央のすみに座る男に近づいた 「若い… 拙者が戦おとした時にはご高齢で果たせなかったが、今の武蔵殿なら闘っていただけるでござろう」 にじみ出る笑みを見せ武蔵を見つめると 武蔵は無表情のまま見つめ返したあと、 また正面に向き直った 「噂通りのうつけだな。柳生十兵衞は」 そのやりとりを見て土方は鼻をすすった 「でも、なんか歳さんと似てる」 沖田はクスッと笑う 「どこがだよ!あんな殺気も抑えられない未熟者と一緒にすんな」 「じゃが、ありゃ強いね」 竜馬は、珍しく真剣な顔を浮かべ十兵衞を見つめた。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!