二幕

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と今度は獣のような男が顔をだした 「あれは岡田以蔵」 近藤たちは飛び出してきた男に怪訝な顔をみせた 以蔵は 老人の制止をふりきり新撰組に飛びかかってきた それを羽交い締めし竜馬が止める 「以蔵。落ち着けたもれ、 現世のしがらみは忘れるんじゃ」 首をふり、ほどこうとする以蔵に 意外な男が声をかけた 「まるで獣だねぇ」 十兵衞だった 「よし拙者が、お相手つかまつろう」 「なに?」 竜馬が呆気にとられた隙に以蔵は 手から逃れると 十兵衞に向き直った 「おっ やるかい?」 ニヤリと十兵衞は笑った と老人が二人の間に入ると 「この以蔵さまで最後の方でございますので 、これより試合を始めようと思います」 そう告げた 「まて!これで最後なのか?」 近藤の問いに そうでございますと老人は答えた。 斎藤や新八は選ばれなかったのか?… そんな近藤を尻目に 老人は手を天井にかかげた と二つの刀が両者の前に現れた 「いよいよか」 十兵衞は刀を握ると 獣のような目を見せる以蔵に笑みを見せた
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