二幕

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二幕

「しかし、妙な世界に来ちまったな」 土方は腕を頭で組み壁に身体を預けた 「僕は嬉しいよ。近藤さんや歳さんと会えたし」 沖田は子供のような笑顔を見せる 「歳…なんだ… 今さらだが、お前を残して投降したこと…」 近藤の言葉を土方は手をふり遮ると 「やめようぜ! また近藤さんと戦えるんだ 。現世の、しがらみなんか忘れちまったよ」 と笑ってみせた 「そうだよ 近藤さん。 それより斎藤さんや永倉さんは来ないのかな?」 沖田は天を見上げた 「斎藤一 永倉新八。 俺なんかより、よっぽど腕がたつ、この主催者の企みがなんであれ 強者を集めてるようなら奴らが現れないのは 確かに合点がいかぬな…」 近藤も首をかしげた 「まあ そのうち現れんだろ それより 柳生の二人に宮本武蔵。 へへ楽しみだな! あの世に来たかいがあったもんだ」 土方は飢えた狼のように目をぎらつかせた 「歳さん独り占めはダメだよ。僕にも残してよね」 「全くお前らは大したもんだよ」 近藤は呆れたように笑った
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