砂城の露

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「食べないって…どう言う事?」 手紙の内容に、降って沸いた宜しく菊が首を突っ込む 「林泉寺の僧が言うにはな、子供が食事をしねーんだと?」 不思議な子供を預かったはいいが、食事をする気配が無いらしい。つまり、子供に生きる意志がない 「けど、どっかのお節介が物を食べているわけとちがうの?」 前が、頻りと考えている。 「なら、そいつが味を感じていい筈だろう?」 体が生きるため、最低限の…。活動はさせているらしいが、問題は其所に無い 「あんた今誰と繋がっているの?問題はその辺かも知れないよ…。」 誰と繋がって? 「子供の居る時代は合ってる筈なんだけどなぁ…。問題はなかった筈だけど?」 菊はちょっと慌てて 「わかった!!考えろと言った私が悪かったわよ!!」 林泉寺よね…。寺よね? そう言って菊はおかねと話し合っている。 「寺だとなんかあったの?」 言われている意味が、前には理解不能になる。 「不安な顔するんじゃないよ…。とにかく林泉寺に行ってごらん?必要だったらすぐ行くから。」 おかねが事の収集を始めても、前は腰を上げない寺だと何が不自然なのか理解していない。 「わかった!!私も行くから!!これでいいの?」 菊の腰も上がる女人堂の意味が何故か前の頭から消失して居るし、菊の頭には男子禁制の意味合いが何故か何故か厳重に入っている。おかねはそのどちらも異常事態だと察知していた。江戸初期の天狗にまだ男と女はいない。しかし前鬼の頭の中のカラスには何故かオスとメスが存在する。現実のカラスではない!真田信之と真摯な問答を繰り返した結果、ヤタガラスの物語にオスとメスが混在したのだ。混沌として形が無いのである。     
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