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あまりのことに、ロボットはびっくりぎょうてんして後ろにひっくり返りました。
「大丈夫?」
亜紅が心配して起きるのを手伝うと、ロボットは首をくるくる回しながら起きあがりました。
「ふうう」
ロボットはため息をつくと、やっと落ち着きました。
「あなたのお名前は?」
亜紅はにっこり笑って尋ねました。
「ボクはまだ名前がないんだ…」
「じゃあ、得意なことは何?」
「得意なこと…」
ロボットの頭のてっぺんのアンテナがくるりと一回転して、胸の赤いランプがちかちか点滅しました。
「ボクが得意なことは、何でも理由を考えて、解説することだ!!」
「かいせつ…?じゃあ『解説君』って呼んでいい?」
「か・い・せ・つ・く・ん…」
ロボットの頭脳がすばやく回転しました。
「ボクは解説君!!」
カタカタカタカタ。解説君は大喜びで亜紅の周りをぐるぐる走り回りました。
亜紅もなんだか嬉しくなってくすくす笑いました。
キンコンカンコンキンコンカンコン。
街の時計台が時刻を告げました。
「しまった!ボク、おつかいの途中だったんだ」
「また会える?」
「きっと会えるよ。…だから今日はバイバイ」
「うん。またね。バイバイ」
亜紅と解説君はそれぞれのおうちに帰りました。
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