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一分足らずで1200メートルはある緩衝地帯の半分まで菱川班の戦闘ロボットは侵入を済ませていた。最後尾でジャン・ピエールが叫んでいる。
「とんでもない連携だな。こいつが『須佐乃男』と戦術支援AIの力なのか。おまえらほんとに日乃元にいるんだよな」
タツオはジャングルの上空から自分の指揮する部隊の作戦を監督していた。ジャン・ピエールの機体が緩衝地帯にはいったとき、空港の闇のなかからミサイル発射の閃光(せんこう)が見えた。
「気をつけろ。ミサイルがくる」
地対地の中型ミサイルだった。オモイが冷静に告げる。
「アンチミサイル発射。迎撃確率80パーセント」
オモイの報告よりも早くマルミが指揮する戦闘ロボット集団から、アンチミサイルが発射された。マルミの叫び声が耳元できこえる。
「お願い、落ちて!」
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