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彼女はカバンから箱に入ったアーモンドチョコを取り出すと、僕の目の前に差し出す。
僕は箱の中から一粒摘まむと、口に入れる。
「ちょこっとだけでいいの?チョコだけに。」
「ははは…面白いこというね。真冬さんは。」
反応に困る冗談言わないでくださいよぉぉおお。機嫌損ねたら、僕に被害がありそうだから、笑いました。何?!この接待笑い?!
「遠慮しないで、もっと食べればいいのに。」
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて。」
僕はさらに二粒チョコを取り出すと、口にいれる。
なぜだろう?本来なら、甘いはずなのに、少ししょっぱい味がするよ。
これも一つの青春の味ですよね?
「三つも食べるなんて、太陽君は欲張りだね。」
どの口が言ってるのぉぉおお?!
自分から人に勧めといて、蔑むなんて、罠選択肢すぎるよ!
ほとんどの人が欲張り認定されるよっ!
「ぼ、僕甘いもの食べたから、飲み物ほしいな。まだ授業開始まで時間あるから、買ってくるね。」
やっぱり無理ですよぉぉおお!彼女をいじるなんて。結局今日も僕がいじり倒されてるでしょ!
今回は戦略的撤退です。次こそは、次こそは!
僕は今回の戦いは諦めると、駅前にあるコンビニへと歩くのだった。
僕の心を表すかのように、外はもう雪が降り積もっていた。
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