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「それから、「もし、弁護士の──法の手に余ることが起こったら、ある人物に連絡をするように」ともおっしゃられていましたね」
「それって…」
皐月は佐久間を振り返る。
永田の言葉に、佐久間は深く頷く。
では、佐波が佐久間に言い残した件の人物のことを、弁護士である永田にも同様に頼んでいたということか。
「永田さん、その人へ連絡をしてもらえませんか?!」
必死の形相でそう詰め寄る皐月に、永田は驚愕と困惑の表情を浮かべる。
「差し出がましいようですが、私からもお願い申し上げます。今日いらっしゃると伺っていたのですが、連絡が取れず困っておりました」
と、佐久間まで頭を下げるものだから、よほど何かあったのだろうということは察したらしい。
「わかりました。連絡してみます」
そう言って、胸ポケットから携帯電話を取り出す。
ややあって、相手が電話に出たらしい。
「私、弁護士をしております永田と申します。…え、あ…はい。はい。──わ、わかりました。確認します」
二言、三言相手と話していた永田が、困惑した表情を浮かべて皐月を振り返る。
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