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「おい、神谷。連泊してんじゃねーよ。
そろそろ帰れよ」
「お義兄さん... オレちゃんと
お義兄さんの部屋で寝てるじゃないすか。床で。
オレの実家には、昼間りんと帰ってるし」
「オレは、おまえの兄ちゃんじゃねーよ。
兄ちゃんとか呼ぶな。縁起でもない」
ひでーなぁ って、先輩が口を尖らしてる。
「今日、ジェイドさんはどうしたんすか?」
「あ? 教会だよ。
神父だからな、あいつは」
先輩と一緒にいられるのは嬉しいけど
ニイも毎日ここに帰って来るんだよね...
「お義兄... ルカさんは彼女とかつくらないんすか?」
「おまえ、厄介払いしようとしてんな?
仮にオレに女が出来ても、おまえの処遇は何も変わんねーからな。覚えとけ」
お母さんがニイを呼んで、ニイがキッチンに向かった。
庭の花壇のきんぎょ草の花びらがひらひらとして
今日もかわいい。
「...りんさぁ、学校が休みの時に
オレが一人暮らししてる部屋においで。
毎月、新幹線のチケット送るから」
隣に座ってる先輩を見上げたら
先輩は、自分の手首を見てた。
私がイタリアで作った、ボルドーのレザーのブレスレットを。
「勉強も多少はみてあげれるし
じゃまされずに会お」って、私を見る。
こくん て、頷いたら
「けどまあ、障害がある方がいいって言うしな。
一生なくなりそうにないけど」って
こっそりキスをした。
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