3/7
1050人が本棚に入れています
本棚に追加
/171ページ
お? リンがオレの前を素通りし リビングを出ようとする。 「よう、待てよ。リン」 リンは、182センチのオレより 20センチほど背が低いので リンの頭を 上から片手で掴んで止める。 「...手、どけてよ」 おやまぁ... 兄さんに冷たい眼が出来るようになっちまって、この子は。 「オレがデートしてやるし」 「は? いいわ」 うわぁ... いや、負けん! 「そんなこと言うなよ! ほらっ、行くぞ! 着替えて来い!」 「...これでいいじゃん。 着替えるのメンドクサイもん」 「ジーパン穿いてこい! バイクだぞ、スカートはダメ!」 リンは 「ニイが遊んで欲しかっただけじゃん」とか 軽く図星を突いて、2階へ着替えに行った。 バレてんなぁ... だって、カレシ出来てから オレつまんなかったんだよね。 それまではさー 『ナントカちゃんがニイのことカッコいいって言ってた』とか 『ニイ、学校まで迎えに来てよー』とか 言ってたのにさ カレシ出来たら、途端に 『また帰って来たの?』とかだぜ、まったく びっくりするよなー。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!