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まだ 23歳だという レナちゃんは
普段はゴスロリ系のショップで販売員をし
週末だけ、占いサロンで ヒーラーなるものをやってるらしい。
「ヒーラー って何?」
「癒し手ですね。ちょっと、いいですか?」
レナちゃんが オレの手に自分の手をかざすと手のひらから徐々に身体が温まっていく。
「へぇ... すごいじゃん。気、ってヤツ?」
「おおまかに言えば、そんな感じです」
レナちゃんと話している間に、上村とミクちゃんの歌も終わっていて
「次は レナちゃん歌ってよー」と言われ
「あっ、ちょっと待って。
オレもう少し 話したいし」と オレが遮り
なんか冷やかされたりして 笑ってごまかしといたけど
テーブルの向こうでは 4人で盛り上がっているので、かえって これでいいとする。
「レナちゃんさ
その、隣の人も見えてたりする?」
「はい、見えますよ。
髪の長い女の人ですよね?」
だから、真ん中に座ってたのか...
俯く先客の女は、別に悪いヤツじゃないし
大丈夫だろ って思ってたけど
オレが そっちに座るべきだったよな。
「座る場所は 上村さんのことがあるんですよね?
この女の人は悪い人じゃないし、大丈夫ですよ」
なんでも お見通しだな、すげぇ...
「彼女は、歌ってくれるひとを待ってるんです」
「歌ってくれるひと?」
レナちゃんは それには答えず
「氷咲さん」と、気になることを話し出した。
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