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冷静に考えれば、からかわれたんだ。 弱い睡眠薬 コーラに盛られてさ。 目が覚めたら知らん場所で びっくりだろ ざまーみろ... くらいな感じで。 その証拠に財布もスマホもジーパンに入ったまんまだったし、よく見りゃ そこは観光地で、近くに電車も通ってた。 でも、オレはその時 ああ 死んだな って 思った。 燃えるような夕陽の中に たくさんの異様な影がいたから。 やけに頭が でかいヤツとか 狼の頭したヤツとか、羽生えたヤツとか。 目が覚めた場所で、座ったまま 足伸ばして そいつら見てた。 影だと思ってたけど、薄暗くなってくると そいつらの顔が見えた。 青い顔したヤツとか、白いヤツ オレンジのヤツ、グレー、緑、水色 眼も横に長かったり、真ん丸だったり そいつらが、オレに寄ってきて 一人ずつオレに触っていく。 まぶたを触るヤツ、頭を触るヤツ 肩、背中、額、鼻、耳、唇、頬、顎... なんなんだ? オレは相変わらず ほけっとしてた。 そいつらは 躍りながら消えていった。
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