アリスの奇行

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泉さんのもとにアイスコーヒが運ばれくるのが見えた。 「ありがとうございます」 そう言ってアイスコーヒに口をつける。 同じタイミングで私もアイスコーヒを飲んだ。 お洒落な店内で同じ空気を吸い、同じアイスコーヒを飲む。これほど幸せな事があるだろうか。 今この世界で確かに泉さんと私は一番近い距離にいる。 そう思うだけで胸が熱くなった。 耳をすませてみると微かに泉さんとマスターが会話する声が聞こえた。 「マスター、実は今気になる人がいて…… 思いを伝えようか迷ってるんです」 驚愕の事実だった。 ずっと知りたかった事がまさか聞けるなんて。 それだけでも来た価値があった。 「隣のクラスの人なんですけど、喋った事もなくて……」
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