アリスの奇行

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隣のクラスという事は私のクラスの事だ。 そして私は泉さんと一度も喋った事がない。 私の可能性は大いにある。 「頭も良くて、スタイルも良くて、みんなからも信頼されてる人なんだけど」 確信した。 私の事だ。 隣のクラスで一度も喋った事がなく、頭が良くてスタイルも良い、さらにはみんなから信頼されている。 間違いなく私だ。 だが確証を持ちたい。 私の名前を言ってほしいのだ。 名前を言え、名前を言え、名前を言え、名前を言え、名前を言え、名前を言え、名前を言え。 何度も念じた。 「その人は…… 」 「あっ、いらっしゃい」 名前を言おうとした瞬間、客が入ってきて話は遮られた。 くそっ!何してくれてるんだ。 せっかく泉さんが名前を言おうとしたのに。
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