アリスの奇行

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「マスター、この続きはまた今度…… バイトあるんでそろそろ行きます」 「また、お待ちしています」 泉さんはそう言って店を出てしまった。 仕方ない。また来週水曜日に来て気になっている人を聞くしかないか。 今日は気になっている人がいるという事を聞けただけでも良い収穫だと思おう。 そう思い、席を立ってカウンターに行く。 「すみません、お会計…… 」 「はい。 君、さっきの子と同じ学校だよね? 知り合い? 」 どうやら制服でバレたらしい。 「いや、知り合いって訳じゃないんですけど…… 」 「あぁ、そうなんだ。知りあいだったら君がいる事あの子に教えた方がいいかなと思ったんだけど」 危ないところだった。私がここにいる事を泉さんに知られてはまずい。危うくストーカー扱いされるところだった。 「まあ、言わなくて良かったよ。 またお待ちしてます」 「ごちそうさまでした」 そう言って店を出た。
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