アリスの奇行

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席の周りは高校生の集団に囲まれ、ペチャクチャとどうでも良い話をしている。 その集団を見るとほとんどの生徒が何も注文しておらずただひたすら喋り続けていた。 雑音が耳に入ってきて不快だ。 席を移動しようとしたが、ここ以外に厨房の方が見える席は満席で、空席のテーブルはどこも周りに高校生がいてこの席とほとんど変わらない状況だった。 雑音を我慢して厨房の方を見るとちょうど泉さんが店内へと入ってきた高校生に対応している姿が見えた。 遠くからでも分かる笑顔で丁寧な対応。 さすが泉さんだ。 ほぼ同い年の高校生にあれだけの対応をしているのだ。 心の中ではうるさいと思っているかも知れないが顔には一切出さない。 尊敬に値する。 私はそういう泉さんが改めて好きだと思った。
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