364人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
私に続いてぞろぞろと高校生の大群が店から出てきた。
それから暫くして従業員出入り口から人が出てくる姿が見えた。
遠くからでも分かる。
泉さんだ。
暗い中、店内の光に照らされた泉さんはより神々しく見える。
それから大きく背伸びをし、お疲れの様子でポケットからスマートフォンを取り出して、耳にあてながら私のいる方とは逆の方向に歩いていった。
電話だろうか。
誰に掛けたのかが気になる。
疲れたバイト終わりに声を聞きたいなのだろうか。
泉さんの家はここからすぐ近くの最近できた大きなタワーマンションだ。
このご時世。
いくら泉さんでも夜道に一人で歩いていては危険だ。
私が着いて行ってあげるべきだろう。
そう思い泉さんの後を追った。
最初のコメントを投稿しよう!