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イムスタリアという国は、十二の島々からなる諸島国家である。
大小さまざまな島が集まって、一つの国家として成立していることからも分かるように、島同士の結びつきはとても強固なものである。
漁業と造船が盛んなこの国では、近隣諸国への運搬や各島々の特性を活かした細工品が主な収入源であった。
広大な農地を有していたり、革新的な技術を持つ他国とは異なり、その財政は決して明るいものとは言えない。
周辺の海域は複雑で常に危険と隣り合わせであるし、土壌の状態も差が激しく、島によっては作物が育ちにくいところもある。
しかし、この十六年で飛躍的な進歩を遂げ、他国が無視できない存在となるまでに至ったのには、人々の記憶に新しい。
その要因となったのは、人々のたゆまぬ努力によるもの──ではなかった。
伝説の再来。
それがイムスタリア王国を今日の発展へと導いた。
今でこそ十二の島々がまとまり、一つの王国としての形を成しているが、歴史を遡れば、それぞれの島は長がまとめていた。
島主と呼ばれる彼らは、必ず十二人で合議を行い、ひとつの国を運営してきた。
かつて島主と呼ばれた一族は、十二貴族と名を変えた今もその政治スタイルを貫いている。
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