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大きな黒い瞳が青年の姿を捉える。
龍は語りかける。
「汝は我が伴侶。魂の片割れ」
大きな体からは想像もできないほど、柔らかく静かな声が青年の耳朶をくすぐる。
その姿。その声。
なんとなく常に付いて回っていた不足感が、急速に埋められていくのを感じていた。
龍が語るように、己の魂の半分はこの龍が持っているのだということを理解するには十分であった。
そして青年は、再び人々から崇められるようになる。
龍の伴侶として──。
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