そして破滅へ

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「元之には見せないよ。ネットに流そうと思って。世間はこれを見たらどう思うかな?みうら苑の社長の妻が浮気だなんて知られたら、大変なことになっちゃうだろうね。」 「そんな事になったら職員であるあなたにも被害を受けますよ。」 「俺は別に気にしないよ。ねぇ、梓ちゃん。元之に迷惑掛けたくないでしょ。それに親父たちにも・・・。」 元貴はニヤリと笑うと、梓の顎を指で持ち上げた。梓は元貴から目線を外し、 「ネットには流さないでください。お願いします。」 と小さな声で言った。 「じゃあ、金くれよ。今月はそうだな。五十万で勘弁しといてやるよ。」 「・・・わかりました。明日取りに来てください。」 「サンキュ。」 そう言って元貴は店から出て行くのだった。一人になった梓は溜め息をつく。 みうら苑は歴史のある大きな老人施設だ。 近々、別の場所に大規模な老人施設を建てることで世間でも話題になっている。 そんな時に自分のせいで、写真と共にあんな記事が出てしまったらと考えるだけでも恐ろしい。 お金で済むならいい方だ。過去には体を求めてくることだってあった。
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