そして破滅へ

8/27
前へ
/130ページ
次へ
 電車に乗り、壮士の住むマンションへとやってきた二人。 途中、コンビニでおでんを買った。 梓はまた酒を買おうとしていたが、もちろん壮士が止めに入った。 時刻はもうすぐ七時三十分になろうとしている。 「お邪魔します。学生なのに良いところに住んでるんだね。さすが。」 と梓は車椅子の上から部屋の中を見回している。 「高坂くん、ごめんね。家の床汚しちゃうと悪いから中まで運んでくれる?」 「あ、はい。わかりました。では失礼しますね。」 壮士が梓をこうして抱くのは二回目になる。 大切なものを扱うように、大事にゆっくりとリビングまで梓を運ぶ壮士。 梓はとても居心地が良かった。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加